礼服

社会人になると一気に増える結婚式や葬式。「もう大人だし礼服を揃えないと…とはいえ、なぜ普通の黒いスーツではダメなのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

実は礼服と黒いビジネススーツはまったく別物です。さらに礼服の中でもいくつか種類があり、本来はシーンに合わせて使い分けるのがマナーです。

今回は礼服と聞いて思い浮かぶ黒いスーツ(略礼装)の着こなしや選び方を中心に、礼服全般についてご紹介していきます。

1. 礼服の基本

礼服

これからご紹介する礼服の「略礼装」と、黒いビジネススーツは同じものではありません。そのため、礼服を購入するときは普段のスーツのときとは少し違う観点から選ぶ必要があります。

まずは礼服とビジネススーツの違い、その違いを踏まえた選び方をご紹介します。

1-1. 礼服とビジネススーツの違い

色の違い

礼服と黒のスーツを比べると、真っ黒な礼服に対して黒のスーツは少しグレーがかって見えます。この違いは明るいところに出ると顕著です。葬式にビジネススーツを着て行った場合、出棺で外に出た瞬間などに親戚に見咎められるケースが多いそうです。

[豆知識]
礼服は黒が濃いほど良いとされ、高級なものは深い黒になるまで何度も染め直されます。

デザインの違い

一般的には5年、長い人は10年は着続ける礼服は、ビジネススーツよりもゆったりめのシルエットのものが多いです。最近のビジネススーツは細身が流行りですが、礼服を買うときは長く着ることを考えて選びましょう。

若い人はシングルの2つボタンを着る人が多いですが、マナー上はどちらも正解です。すっきり見えるシングルか、貫禄が出るダブル。お好きな方を選んでください。ボタンの数は、シングルだと2つボタン、ダブルは4つボタンを選ぶ人が多いです。

着用シーンの違い
礼服はビジネスでは着れず、ビジネススーツは葬式で着ることができません。ビジネスで礼服を着ることはマナー違反とは言えませんが、不幸ごとがあったのかと心配されるのでおすすめしません。

1-2. 礼服の選び方

礼服

これまでご紹介したとおり、礼服とビジネススーツは見た目や着用シーンなど異なる点が多くあります。そのため礼服を選ぶときは、普段のビジネススーツとは違う観点から選ぶことが大切です。

<礼服選びの3つのポイント>

(1) 黒の色が濃い
礼服とビジネススーツは兼用できません。中途半端になるくらいなら、礼服らしい濃い黒のものを選びましょう。

(2) 5年後も着たい
礼服は冠婚葬祭でしか着ないため、多くの人は5年〜10年は同じものを着続けます。5年後の自分も着られそうな流行に左右されないデザインのものがおすすめです。

同じ理由で、礼服の1着目の素材はオールシーズン用のものを選びましょう。

(3) 高すぎない
長く着続けるとなると良いものを買いたくなりますが、高すぎるものはあまりおすすめしません。

というのも、着用シーンが限られるからです。葬式にも結婚式にも対応できますが、結婚式はネイビーやグレーがかった黒のビジネススーツの方が「礼服を着回ししている」よりもお洒落な印象になります。

安物を勧めるわけではありませんが、普段購入しているビジネススーツと同じくらいの予算で検討するのがちょうど良いと思います。

フォーマルシーンに対応できる良いスーツを買うとしたら、黒に近い色の無地のものが良いでしょう。ビジネスや結婚式など、様々なシーンで着まわしが効きます。

2. 礼服の種類

2-1. 略礼装|ダークスーツ(ビジネススーツ)

本来の定義では濃いネイビーやグレーのダークスーツも礼服の一種で、ブラックスーツ(いわゆる礼服)と同格です。結婚式や通夜、パーティーや式典などで着ることができます。

実は、正式なマナーでは通夜はダークスーツを着ます。「取り急ぎ駆けつける」ものなため、完璧な礼服で決めてしまうと、以前から不幸を予想していたという印象があるからです。

とはいえ、現在では通夜も真っ黒な礼服で出席する人が多いので、基本的には葬式と同じ礼服で問題ありません。

むしろ仕事帰りにそのままの向かう際などは、葬儀場などで黒いネクタイと黒い靴下を用意するのをおすすめします。購入場所については「礼服はどうやって揃える?」で詳しくご紹介しています。

2-2. 略礼装|ブラックスーツ(いわゆる礼服)

ブラックスーツは、以前は略式だとされていましたが、現在ではほとんどのフォーマルシーンに対応できます。

2-3. 準礼装|ディレクターズスーツ

礼服のパンツを黒からグレーのストライプパンツ(コールパンツ)に変えると、一段格が上がります。ディレクターズスーツと呼ばれるこのスーツは、結婚式の主賓やスピーチ担当者向きとされていますが、最近はブラックスーツを着る人の方が多いようです。

カジュアルな結婚式では新郎・新婦のお父さまがこのスーツを着ることがあるため、被らないようにブラックスーツを着ることをおすすめします。

2-4. 昼の正礼装|モーニング

昼間の礼服でもっとも格式高いモーニングは、新郎・新婦のお父さまの定番衣装です。それ以外では、公式な式典の主催者や園遊会の参加者、大規模な葬式の喪主などが着用します。

2-5. 夜の正礼装|タキシード

タキシードは、夕方以降の結婚式や披露宴、フォーマルなパーティーなどの正しい服装です。音楽会や観劇、ネクタイやシャツの合わせ方によってはカジュアルなパーティーなど、意外にも着回しが効きます。

最近はタキシードの襟が取り外せてビジネススーツと兼用できるタイプも発売され、注目を集めています。気になる方はスーツメーカー「ファイブワン」のタキシード&エンゲージメントスーツをご覧ください。

3. 礼服の着こなし

3-1. 結婚式で礼服を着る

礼服

結婚式で礼服を着る際は、明るい色柄のネクタイやチーフをプラスして華やかに着こなしましょう。ネクタイは白地に柄が入ったものや、シルバーグレイなどの淡い色のものがおすすめです。チーフはネクタイの色に合わせると、全体の統一感が出ます。

「結婚式の礼服」では、結婚式らしく華やかに着こなすポイントをお伝えしています。

[結婚式にはビジネススーツもおすすめ]
濃い目の色のビジネススーツは明るい色柄と合わせやすく、着こなしの幅が広がります。結婚式でのスーツの着こなしは「結婚式のスーツ選び|お祝いの日にふさわしい着こなしのコツ」で多数ご紹介しています。

3-2. 葬式で礼服を着る

礼服

葬式で礼服を着るときは、黒い無地のネクタイをつけて全身黒でコーディネートします。以前は「取り急ぎ駆けつける」ものなので礼服を着ないとされていた通夜も、最近は葬式と同じ礼服で出席する人が増えました。

4. 礼服はどうやって揃える?

普段買わない礼服は、どこで買うかまたはレンタルするか、悩みますよね。今回は大切な日に向けて礼服を揃えるときのおすすめのブランドや、レンタルショップをご紹介します。

急な葬式で礼服が必要になったときの購入場所やレンタルショップは、「葬式の礼服を揃える」をご覧ください。

4-1. 礼服を購入する

モーニングやタキシードを買う

モーニングやタキシードなど普段着る機会が少ない礼服も、実はスーツ量販店で買うことができます。洋服の青山やAOKIでは定番のデザインのモーニングやタキシードを3〜5万円程度から買えますし、スーツセレクトやスーツカンパニーは遊び心のあるタキシードなどのパーティースーツが豊富です。

また麻布テーラーではオーダーメイドのモーニングやタキシードを5万円から作ることが可能です。買うのはもったいない気がするモーニングやタキシードですが、実は普段のスーツとほぼ同じ値段で手に入ります。

特にタキシードは着回しが効くので、1着持っておくというのも良いですね。

ブラックスーツ(いわゆる礼服)を買う

ブラックスーツの品揃えは、洋服の青山やAOKIなどの老舗の量販店が豊富です。スリムフィットの礼服が欲しい方はスーツセレクトやスーツカンパニーで手に入ります。

またイオンなどのショッピングモールでは、1〜2万円の手頃な価格で購入できます。特に夏の礼服は、発色が良く涼しいと評判なのでおすすめです。

4-2. 礼服をレンタルする

普段はスーツを着ないけれど結婚式にはきちんとしたスーツで出席したい、パーティーらしいお洒落なスーツで決めたい。そんな方にはレンタルもおすすめです。

おすすめのレンタルスーツ店

KIRK MEN’S FORMAL

スタイリッシュなデザインが素敵なKIRL MEN’S FORMALは常時250種類以上の品揃えを誇ります。新郎衣装が中心ですが、お父さま向けのモーニングやディレクターズスーツ、一般参加者向けのスーツもご用意しています。

お値段は25,000円〜と少し高めですが、フォーマル度の高いスーツは着る機会が少ないことを考えると買うよりお得だと思います。

リアルクローズ

ブランドスーツの豊富な品揃えと、7,900円〜というお手頃な価格が魅力のリアルクローズ。渋谷と心斎橋にある店舗で直接レンタルはもちろん、ネット宅配レンタルも可能です。

DMM.com

ネット専門のレンタルショップDMM.comは何と言っても5,000円以下からレンタルできる価格が売り。気軽にレンタルできて、気に入ったものは買取もできるため、色々なスーツを試してみたいという方にぴったりです。

5. まとめ

礼服

ビジネススーツと礼服は別物で、ビジネスにはビジネススーツ、葬式には礼服が必要です。決して高価なものは必要ないので、急な結婚式や葬式に備えて1着用意しておきましょう。

結婚式の服装は「結婚式のスーツ選び」、葬式の服装は「葬式の礼服」でより詳しくご紹介しているので、合わせてご覧ください。

また黒に近い色のビジネススーツも、実は礼服と同じ略礼装として認められています。葬式で着るのは一般的ではありませんが、様々なフォーマルシーンで着回すことができるので、お気に入りのものを手に入れたいですね。

今回の記事を参考に、結婚式や葬式、式典などのフォーマルシーンも大人の余裕を持って対応しましょう。